耐震診断は主に旧耐震設計で建てられた建物の地震に対する安全性を診断するものです。
1981年にそれまで起きた地震被害研究の成果を踏まえて、耐震基準が強化されました。
それ以前に建てられた建物に対しては耐震性に不安が残るために、安全性を確認するための耐震診断の方法が定められました。
新たに建てる建物と異なり、既存の建物に現行法による基準をそのまま当てはめるのは不適切です。
既存の建物は現在の状況を把握して、実際に大きな地震が起きた時に人命に損害を与えるような被害が生じる可能性があるかどうかが診断されます。
壁の多き建物は壁の量だけで安全性を診断でき、それ以外の建物では終局的な建物の耐力が大きな地震の地震力に対して十分かどうかが問われます。
新たに建てる建物は建物に変形を生じさせない段階での検討が加えられますが、既存建物の耐震診断では実際に対象となる建物が地震で壊れるかどうかの終局段階での検討が行われます。
安全性が確認されれば、建物をこれからも安心して使い続けることができます。